オヤジんちの地域も12月に入り、根雪になってまいりました。
根雪とは、度重なる降雪で地面が積雪状態になり、雪解け時期まで地面が雪に覆われたままになることです。
冬囲い(板囲い)の自作について前回書きましたが(記事はこちら)、そのほかの形のものについても触れたいと思います。
なぜ雪で木が折れるのでしょうか?
雪国に住んでいる人たちにとっては当たり前にわかることだと思いますが、移住者として雪国ど素人だったころの頭で考えてみます。
木は地中から根で水分、養分を吸い上げ、太陽に向かって枝を伸ばしていきます。
枝分かれしても、人間が手を加えない限り上方、斜め上方向に成長していきます。
ですが降雪は上から下に降り注いできます。
雪の降り始め時期は北海道のような極寒の地でもかなり湿って重たい雪が降ってきます。
湿っているということは、樹木や構造物に付着しやすい(着雪といいます)。
短時間に大量の雪が積もると、木の枝への着雪がどんどん大きく重くなるわりには真下の空間が開いているので、重くなった雪を支えるすべがなく、いつしか弱い枝から折れてしまいます。
常に木のそばに張り付いていて、枝に積もった枝を払い落すわけにもいきません。
(一晩に50cm積もることもあるからね!)
また、塊になった雪はその時は軽くても、良い天気の時に解けて寒くなって固まって、を繰り返して、固く重い氷のような雪の塊になります。
ゆえに、木の枝へ直接雪の荷重がかかるのを防いでやる必要があります。
それが冬囲いなのです!(雪国の皆様ごめんなさい、当たり前の説明でした!)
冬囲いの基本形(独断ですが・・・)
ただ、この当たり前のことを当たり前に理解していれば、その土地と気候に適切な冬囲いを仕立てて、庭木のことを(比較的)心配せずに快適な(ことばかりとも限らんが)冬を過ごすことができます。
以上の基本を踏まえたうえで、小さな果樹はこんな風に守ってやります。
今年買い足した、ブルーベリーの小さな苗です。
短い角材を4本、テント状になるように組み、情報をロープでしっかり縛ります。
角材はハンマーで地中に少し打ち込んでおくと安定します。
防風ネットで周囲を囲み、風で飛ばないよう縄などで固定します。
裾は重しをのせておけばなお安心、私は簡単に雪をかぶせています。
根雪になれば風で飛ぶこともないでしょう。
ネットなので雪の吹込みはありますが、上からの雪の圧力がなければ折れる心配はありません。
これも、今年植えた、リンゴの苗木です。
切り戻ししとけば良かった!(余談)
冬囲い用の長い資材を使いますが、長くてハンマーで打ち込めないので、短い角材をかけやで打ち込み、差し込みようの穴を開けます。
穴を開けておけば、そこに差し込めば安定します。
上方を組んでロープで縛って、形ができました。
前回も触れた、ラセン杭です。ロープで冬囲いを固定するのに使います。
この形状のおかげで、強風が吹いてもびくともしません。
鉄パイプを通し、回しながら地中にねじ込みます。
冬囲い用の縄で補強します。
防風ネットで覆います。
上の方はずり落ちやすいので、結束バンドなどで固定すると良いです。
先ほど打ち込んだラセン杭にロープを結んで・・・
吹きっさらしの場所でなければここまでする必要もないかと思いますが、
オヤジんとこは周りに何もない吹きっさらしの所なので、ロープで上からがっしり押さえておけば横風で倒れる心配もありません。
大雪でリンゴの枝がぽっきり折れました!
今年唯一後悔しているのが、リンゴ「ふじ」の木です。
湿った大雪のせいで、一晩で大枝が折れてしまいました。
こんなありさまです。
枝丸ごと、ぽっきり雪の重みで折れていました。
リンゴの木は剪定や収穫がしやすいよう、縦に低く、横に長く枝を伸ばしてきました。
いままでこれほどの被害はなかったのですが、湿った雪が一気に積もるとこんなことが起こります。
なにしろこの時の大雪は、除雪機でも遠くに飛ばせないような重い雪でした。
他にも、栗の木の大木も同じように枝が何本も折れていました。
リンゴの木はこんな樹形をしているので・・・
例えばこんな風に、つっかえ棒のように枝を支えてあげないといけなかったのです。
実際、リンゴ畑でこれと似たものを見た記憶があります。
冬囲いひとつとっても、毎年のエビデンスの積み重ねです。
1年1年の繰り返しがより良い形を作っていきます。