3月から北海道は雪解けに向かってゆっくりと始動しています。
4月中旬の暖かさ(気温12度!!)があったかと思えば、また数センチの積雪があったりと、風景は日替わりで目まぐるしく変わります。
解けてきたな、と思った雪が・・・
翌日にはまた積もりました!
記事を書いている今も、雪がちらつくマイナスの寒さです。
4月中旬から下旬のハウス内定植を目指し、少しずつ準備を進めていこうと思います。
実行には計画が必要です(当然ですが・・・)。
畑のサイクルはすなわち、季節がひとめぐりする1年であります。
雪の残る露地はまだ手を付けられませんので、まずはハウスの構想からです。
ハウスの1年の構想を練ります!
東側の入り口から、ビニールハウスの中を写したところです。
温床を設置し、ぼちぼち畝つくりに取り掛かろうか、という現在の様子です。
去年露地から移したネギもトンネルをかぶせて、一刻も早く食べようと企んでいます。
これはある年のハウスの栽培地図でした。
さあ、今年はどういうレイアウトにしようかな・・・。
まず先に植えるのはビニールハウスの中です。
ハウスの中を12個のブロックに分け、連作にならないよう、その年に植える作物の場所と順番を決めていきます。
写真のように、ナス科、ウリ科などをまず書き込んでいきます。破線の四角いエリアは、現在温床で育苗しているエリアです。
ここは5月中旬まで温床を続け、その後撤去して、ゴーヤやオクラなど、暖かくならないと芽が出ないものをそのころに植えるようにしています。
こうすれば効率よく、畑を遊ばせることなく回していけると考えています。
その日に植えた種、鉢上げしたものの記録を取りながら、また温床で大きくなっていく苗を眺めながら、畑のレイアウトに思いをめぐらします。
1年の計画は、オヤジんとこでは畑のレイアウトという形で可視化することにしています。
連作を避ける、輪作計画!
30種類以上の作物を同時に栽培するには、その場その場の思いつきで植えていくことはオヤジにはできません。
ハウスにウリ科(キュウリ、ズッキーニなど)が植えられるのは早くて4月中旬、ナス科はそのあとです。
露地はもちろんそれより遅い。
ジャガイモはGWくらい、豆は5月下旬のカッコウが鳴いてから、ジャガイモ以外のナス科の作物が露地に植えられるのは、遅霜の心配がなくなる6月からです。
菜っ葉は長く収穫するために時期を少しづつずらして何回も種蒔きしますし、キャベツとレタスも夏の早獲りと秋獲りの2回作ります。
半年かけて少しづつ畑を作っていくイメージです。
多種類の野菜を作った方はご存知のことですが、オヤジも野菜作りの基本を踏まえ、連作にならないよう、毎年作物の場所を変えながら植えるようにしています。
特にナス科、アブラナ科、マメ科の作物は同じ場所で続けて作ると、連作障害といって、様々な病気の原因となることがあるようです。
これらの作物は科ごとに場所を分け、同じ場所で再び作るには4~5年空けた方が良いとされています。
オヤジは野菜の専門家ではないので、「なんでなの?」と問われてもきちんと答えることはできないのですが・・・、同じものを作り続けることで同じ養分が減って土質の多様性が失われ、収量が落ちていく。また土壌の栄養バランスが崩れ、病原菌が定着しやすい、というのが理由のようです。
窒素、リン酸、カリの3大栄養素の理論、そしてこの連作障害をさけるための、いわゆる輪作は農業、家庭菜園を営む上でさけて通れない超常識です。
その常識度は、野菜作りを支配している、と言ってもよいほどで、それほどトラブルを経験していない人でも常識として誰もが知り、受け入れられているものです。
オヤジは生来めんどくさがりなのか、「ほんとかなあ・・・」と思いながらも、大多数にならい、しぶしぶこの常識に従っています。
セオリーに忠実に、という姿勢は確かに大事ですし、それが自然の摂理なのだから、と言われればそれを覆すほどの知識も持ち合わせていません。
オヤジは思うのですが、セオリーにとらわれすぎることで自由な発想の妨げになりますし、実際にこんな狭い畑で、となりあっていろんなもの作っているのだから全部混ざっているようなもんだべ!!と開き直る部分もあります(ほんとそうだよね!)。
実際、上の写真のように、除雪機でハウスの土まで掻きまわして、外に飛ばしちゃったりするものなあ・・・。
間違って、同じ科の野菜を連作しちゃうこともなかったわけではありません。
ただ、そのことで大きな損害をこうむったことは今のところありません。
もっともそれは、家庭菜園という気楽な立場だからであって、生活のために作っている農家さんが聞いたらお怒りになるようないい加減さ、だとも思います。
話がだらだらと続きました。
今オヤジの畑で連作障害かな、と思うのはキュウリのツル割れ病くらいかな、と思いますが、それを打破することもできず、というのが理由なのか、「マメ科、ナス科、アブラナ科を4、5年サイクルで輪作していく」を念頭に、オヤジは毎年野菜を植えています。
これを採用することの最大のメリットは、科ごとに植える場所を分けるので、計画が立てやすい、ということです。
オヤジの畑で多く面積を占める作物を3つの大きなブロックに分けて、毎年ローテーションで栽培していくのです!
2018年の露地はこんなレイアウトでした。
これに着色して分かりやすくすると・・・
こんなローテーションをしています。
同じマメの仲間は連作してはいけない、アブラナ科もしかりです。
ナス科は、ウリ科(カボチャ、キュウリ)と一緒のブロックとして考えます。
ブロックとして考えるということは、おおざっぱなイメージから入っていけるので、計画が立てやすくなります。
実際にマメ科のブロックにやむを得ずジャガイモ(ナス科)を植えることもありますが、翌年か翌翌年にナス科のブロックが回ってきた時も、そこには別の科を植えられるよう、レイアウトを考えます。
これはトータルで見たときに、その場所で4~5年栽培間隔が開くように、長きにわたってローテーションの管理をするのに都合の良い方法です。
これを最初に考えた人はすごいな、と思います。
ハウスは移動できないので、その中でローテーションするのですが、狭くて栽培品目が決まっているせいで、4~5年とまではいかず、理想的な輪作体系ではありません。
露地はハウスの南側の植えっぱなしのエリア(ネギ、アスパラ、ニラ)と毎年変えないニンニクのエリア以外をローテーションで回しています。
2019年はこんなイメージで構想を始めています。
これが構想のスタート地点です。
これをもとに、さらに細かく絵を描きこんでいきます。
早どりのキャベツは、まだ作ったことのない、紫色の区画に植えようかと思っています。
その区画が雪解けが遅くなりそうだったら、変更の可能性もあります。
また、苗の生育状況によっても、プランを変えていきます。
このように、少しづつ定植時期の違う作物を150坪の狭い畑の中でレイアウトしていかなければなりません。
すべてをいっぺんにイメージできれば、すごい才能なのですが、そこまで無理です。
毎日の種まきや温床の育苗、ハウスの準備を繰り返しながら、また、雪の早く解けた場所に目をつけて「ここに~を植えようか・・・」と考えながら、ちょっとずつ頭と体を動かしながら1年の畑をデザインしていきます(なんて言ったら大げさかな?)
(2019/4/3追記)初回の記事更新で、輪作のことを「ブロック・ローテーション」と表現しましたが、誤りでした。語句を差し替えしましたのでご了承の程お願い致します。