思い出~田舎暮らしの始まり

卒業や異動、引っ越しの季節ですね。
今の住まいに引っ越しした時のことを思い出したので、タイムリー(?)記事として書いてみます。

田舎への移住を考えている人に、少しでも参考になればと思います。
あくまで、オヤジ本人の体験談ですので、移住するすべての人に当てはまるものではありませんので、どうかご了承くださいね。

晴れた日の雪景色はとてもまぶしくてきれいです。手前から10M先は、農家さんの田畑ですので、オヤジの土地ではありません(汗)。

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まず近郊都市にアパートを借りました

オヤジ家の場合、北海道に住みたいというのが、まずありました。
そして、ささやかな畑を営んで理想の生活をしたいというのが、ありました。
知人がいないわけではないのですが、終の棲家は自分たちで探すもの。
誰も頼りにはできないです。
都会で得たもの、人脈をすべて捨てて北海道にやってきました。

どうにかなるだろうと、まず思い描いている地域からほど近い都市部にアパートを借りました。
そこを拠点に、まず北海道の暮らしに慣れ、移住計画を練りながら理想の土地を探そう、という方策をとりました。

自分たちが住むのに、おおまかに設定していた土地のイメージは、以下の通りです。

ある程度の家庭菜園ができる広さの宅地or雑種地

持ち家で土地の所有を目指していました。

自給自足を目指す畑は、最低でも150~200坪の面積が要ります。

また、家を建てる場所、駐車スペース、果樹を植える場所も欲しい、となると、300坪以上は絶対に必要でした。

 150坪あると、いろんな取り組みができます。ただ、やっているとさらに欲が出て、あと300坪くらいほしいなあ・・・と思うこともあります(汗)。

田舎でもなかなかこういう土地が、ありそうでない。

というのも、広くても、営農者しか家を立てられない農地は、まずアウト。

都市部、ニュータウンはもちろん、田園地帯でも、売物件としてこんな条件がそろった土地はなかなかありません。

いまでこそ移住者を支援するネットワークが全国で充実していますが、当時は本人のやる気と執念(?)次第でした。

なので、不動産屋をあたるのはもちろんのこと、人づてに情報を得たり、足を使ってとにかく探しました。

通勤・通学の便がそこそこ良いところ(小学校・中学校)

北海道に来てすぐ子供ができました。

職探しと子育てしながら土地探し。

今思えば、必死でした。

辺鄙なところでも、子供が教育をうけられなければいけません。

通学の便がよいところ(スクールバスを運行してくれる、など)が必須でした。

また、オヤジの通勤の便も大事です。

都会では1~2時間の通勤は当たり前です。

住んでみてわかりましたが、1時間という通勤時間は、北海道の田舎では現実的ではありません。

鉄道網もなく、まず否応なく自動車通勤になります。

朝早起きして畑仕事を少しやる余裕が欲しいです。

また、夏場ならまだしも、豪雪地帯の冬場の1時間の車の通勤は、体力的にも経済的にもかなり厳しいです。
吹雪(ホワイトアウト!)の日もしょっちゅうあります。

それならば通勤時間はなるだけ短い方が良いのです。

猛吹雪の翌朝は、公道に出るための通路が吹き溜まりになってふさがれていたりします!朝4時起きで除雪機で雪を取り除きます。

生活がそこでほぼ完結できること

また、田舎に住むということは、そこの地域社会との結びつきも、大事な要素です。

仕事をしながら、町内会や、子供会など地域の活動にかかわる時間的精神的余裕がもてることも大事だと思います。

ということは、生活物資が調達しやすい環境も必要でしょう。

田舎だけれど、車で15分も走れば除雪機の燃料や車のガソリンが調達できる、
町からそのくらいの距離感、それが通勤の途中であればベストかな、と思いました。

職業、子育て、生活経済がそこで完結に近い状態がベストなのでしょう。

土地を探せば探すほど、そういう結論に至るのでした。


場所に余裕があったので、タラの芽を植えました。うまいこと増えてくれて、山菜の季節が待ち遠しくなりました。
果樹を植えていますが、広い分、雑草も多いです。刈った草は積み上げて、畑の堆肥にします。今までなかなか活かせていなかったので、これから積極的に取り入れていきます。

河川より高い位置の土地

水害などの災害はなるべくさけたいものです。

一から探すので、(ただでさえ雪害の多い地域なので)災害リスクの少ない土地を念頭におきました。

インフラを引きやすい場所

田舎は土地代が安いです。

が、水道もなく(井戸水があればいいんですが)電気もなく電話も通じない、というところは、インフラ整備にお金がかかります。

オヤジ家が出会えた土地は、古い住宅のあった宅地で電気と電話は即OKでしたが、100Mほどの水道管がかなり古く、再敷設しなければなりませんでした。

下水道がない地域なので、浄化槽を新たに設置しました。

自宅への水道管の敷設は100パーセント自腹、だとこの時はじめて知りました。


リンゴの木。向こうに見えるのはぶどう棚です。


実はなるようになったのですが、いつも虫に食われてダメにしてしまいます。今年こそは、剪定、袋掛けから再挑戦したいです。

結局、引っ越しまで4年かかりました。

少々時間がかかってしまいましたが、北海道に来て4年目にようやく理想の土地を取得しました。

見つけたのは、可能性が低かったはずの、不動産屋物件でした。

ある不動産屋さんをだめもとで再訪した時、その日たまたま、土地のオーナーさんと懇意にしている担当者が店にいて、オーナーさんにつないでもらえました。

下見から取得へと、トントン拍子に事が運びました。

北海道に来てから約4年半後に、無事新居への引っ越しを完了しました。

中途半端に妥協しないで、納得のいく場所が見つかってよかったなあ、と今でも思います。

また、住みながら探したことで、北海道の特色を肌で知り、地域社会と出会いながら、足を地につけて新生活を考えることができたことが成功の原因だったと思います。

かみさんの助言とサポートに多謝、です。

 朝、雪かきを終えた頃、のぼってくる朝日。何ともすがすがしいですね。オヤジが立っている所から向こう側は、農家さんの田畑です。念のため、悪しからず(汗)。

また、真剣に土地を探す過程で、共感できる農家のご主人との出会い、理想的な工法を採用している地元のハウスメーカーさんと知り合って、家を建ててもらえたこと、などなど、貴重な出会いに恵まれたことも良かったな、と思います。

たくさんの方々との出会い、支えがあって、オヤジん家の「今」があります。