オヤジんとこでは、キュウリは接ぎ木で育てています。
自根(接ぎ木をしないでそのまま育てること)でももちろん収穫できるのですが、ここ5~6年、収穫期間が極端に短くなり、ほどなくして枯れてしまうようになりました。
ちょうど1年前のハウスのキュウリの写真です。
順調に育っているように見えますが・・・
育ったキュウリの尻が細いです。
こういった傾向が3年前からあり、気にはなっていました。
3週間後に突然、しおれてきました。
水を充分やっているのにおかしいな・・・
ちょっと見づらいですが、茎に縦の亀裂がいくつも入っています。
実もならなくなり、この株は抜いて処分しました。
キュウリが病気にかかったようです・・・
ネットやものの本で調べると、どうやらこれはツル割れ病というもののようです。
定植後、必ず根っこ付近がひび割れてきます。
そのうちに、水をたっぷりやっているのに、全体がひからびてあっという間に枯れてしまいます。
キュウリは収穫期間が長く、2カ月ほど楽しめるはずなのですが・・・。
オヤジんとこでは2~3週間で枯れてしまいます。
これはいかん、病原菌が畑に住み着いているようです。
接ぎ木で事態を打開しよう!
何か策を講じないとダメだと思い、10年ほど前に見よう見まねで試した接ぎ木を、まじめに再チャレンジし、今年が3年目になります。
今年のハウス用キュウリの接ぎ木は、4月7日に行いました。
(ちなみに昨年の接ぎ木のようすは、こちらです。こちらの方が写真がきれいです(汗))
キュウリの品種は「黒サンゴ」。
昔ながらのとげとげいぼいぼ表面、生食に良し、漬物に良し、とてもおいしいキュウリです。
穂木のキュウリは1枚目の本葉の展開時、台木のカボチャは子葉(双葉)が開いた時が、接ぎ木の適期です。
そのため、キュウリの接ぎ木の場合は穂木のキュウリを先に播種(種蒔き)し、数日後に台木のカボチャを播種します。
日に当ててきたのですが、室内のせいか、徒長ぎみですね。
左側が台木のカボチャ、右側が穂木のキュウリです。
台木の双葉の間の芽を、爪楊枝で 掻き取ります。
左が台木、右が穂木です。
カミソリで、それぞれ切れ目を入れます。
わかりやすくマーキングすると、このように切っています。
切れ目同士を噛み合わせます。
この接ぎ方を、「呼び接ぎ」といいます。
接ぎ木用のクリップで合わせ目を固定します。
8株、接ぎ木しました。
徐々に慣らしていきます!
鉢上げして・・・
蓋をかぶせて、密閉します。
2日目までは、分厚い布をかぶせて遮蔽します。
2日目から、徐々に弱い光を入れ、ならせていきます。
隙間を開けながら、外気に少しずつ慣らせて、活着を促します。
水をやり、霧吹きで湿らせながら、様子を見て育てていきます。
本葉も育ってきましたね。
接ぎ木から10日をめどに、穂木の根を切断します。
これでカボチャの台木からのみ、養分をもらうようになります。
切断直後はしおれがちです。
また、活着していないと、この時点で枯れてしまいます。
霧吹きしたり、蓋をかぶせたりして、様子を見ます。
穂の切断から約2週間後が定植のタイミングです。
曇りの日を見計らって、ハウスに移します。
ここまでで枯れなければ、もう大丈夫です。
過保護にせずに、しかし徐々に光と外気を入れていくのがこつだ、と接ぎ木を10年やってみて、ようやくわかってきました。
5月2日、ハウスに定植しました。
8株のうち、枯れずに残ったのが6株です。
成功率は、8分の6でした!
だいぶ慣れてきたと思います。
自根に比べ、成長は遅いですが、着実に育っています。
毎日の見守りにワクワクします。
上から散水したりするので、接ぎ目が傷むかもしれません。
茎も大きくなり、クリップが外れそうなほどに太くなります。
なので、洗濯ばさみに付け替えてやりましょう。
おおっ!みごとに活着していますね!
念のため、大きめの洗濯ばさみで軽く押さえてやります。
さあ、収穫へ!
現在の様子です。
こんなに太く、大きくなりました。
さあ、初収穫まですぐそこです!
昨年も接ぎ木した苗は自根のものより、(多少)収穫期間が延びてくれるようですが、2カ月くらいもってくれるといいな!